【いびきは体からのサイン?】

〜睡眠時無呼吸症候群との深い関係〜
「家族からいびきがうるさいと言われる」「自分では気づかないけれど、毎晩いびきをかいているらしい」
このようなお悩みを持つ方はとても多くいらっしゃいます。いびきはよくあるものと思われがちですが、実はいびきは体からの重要なサインであることも少なくありません。特に注意が必要なのが「睡眠時無呼吸症候群」です。
今回は、いびきの原因や放置するリスク、そして睡眠時無呼吸症候群との関係について、分かりやすくお伝えします。
【いびきはなぜ起こるの?】
いびきは、睡眠中に空気の通り道(気道)が狭くなることで、粘膜が振動して音が出る状態です。起きているときは筋肉がしっかり働いて気道が保たれていますが、眠ると筋肉がゆるみ、舌や喉の奥が下がりやすくなります。
特に、
・肥満
・加齢
・あごが小さい、下あごが後ろに下がっている
・鼻づまり
・アルコール摂取
などがあると、気道がより狭くなり、いびきが起こりやすくなります。
【単なるいびきと危険ないびきの違い】
すべてのいびきが危険というわけではありません。しかし、以下のような特徴がある場合は注意が必要です。
・いびきが非常に大きい
・呼吸が途中で止まっていると指摘された
・いびきが不規則で、途中で「ガッ」と息を吸う
・朝起きても疲れが取れない
・日中に強い眠気がある
これらは、睡眠時無呼吸症候群のサインである可能性があります。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?】
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が何度も止まったり、浅くなったりする病気です。医学的には、10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上起こる状態を指します。
呼吸が止まると体内の酸素が不足し、脳や心臓に大きな負担がかかります。その結果、睡眠の質が著しく低下し、さまざまな全身疾患のリスクが高まります。
【睡眠時無呼吸症候群が引き起こすリスク】
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、以下のような問題が起こりやすくなります。
・高血圧
・心筋梗塞や脳卒中
・糖尿病
・不整脈
・日中の集中力低下、交通事故
「眠っているだけなのに?」と思われるかもしれませんが、毎晩の無呼吸は体にとって大きなストレスになります。
【歯科といびき・無呼吸の関係】
意外に思われるかもしれませんが、歯科は「いびき」や「睡眠時無呼吸」と深く関わっています。その理由のひとつが、あごの位置や舌の位置です。
下あごが後ろに下がっていると、舌も喉の奥に落ち込み、気道をふさぎやすくなります。歯科では、軽度〜中等度の睡眠時無呼吸症候群に対して、口腔内装置(マウスピース)を用いた治療を行うことがあります。
【マウスピース治療とは?】
睡眠時に装着するマウスピースは、下あごを少し前に出した状態で固定する装置です。これにより、舌が前方に保たれ、気道が広がり、いびきや無呼吸が軽減されます。
CPAP(持続陽圧呼吸療法)が合わない方や、比較的軽症の方にとって、負担の少ない治療法として選ばれることがあります。
【生活習慣の見直しも大切】
いびきや睡眠時無呼吸の改善には、治療だけでなく生活習慣の見直しも重要です。
・体重管理
・寝酒を控える
・横向きで寝る
・鼻づまりの改善
これらを意識するだけでも、症状が軽くなることがあります。
【舌の筋トレ】

【いびきを放置するとどうなる?】
「いびき=うるさいだけ」と思われがちですが、放置すると全身の健康に影響するサインであることが少なくありません。
① 睡眠の質が低下する
いびきは、空気の通り道(喉)が狭くなっている証拠です。
その結果、眠っていても脳や体は十分に休めず、
・朝スッキリ起きられない
・日中の眠気・集中力低下
・慢性的な疲労感
が起こりやすくなります。
② 睡眠時無呼吸症候群につながることも
大きないびきや途中で止まるいびきは、**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**の可能性があります。
放置すると、
・高血圧
・心筋梗塞・脳梗塞
・糖尿病
など、命に関わる病気のリスクが上がることが分かっています。
③ 口呼吸が増え、歯とお口のトラブルが増加
いびきのある方は口呼吸になりやすく、
・虫歯・歯周病
・口臭
・口の中の乾燥・ネバつき
が起こりやすくなります。
歯科の立場から見ても、見逃せない問題です。
④ 舌や喉の筋力低下が進行する
いびきを放置すると、
舌が喉に落ち込みやすい状態が固定化され、さらにいびきが悪化します。
👉 悪循環
「いびき → 筋力低下 → さらにいびき」
早めの対策が大切です
軽度のいびきであれば、
・舌筋トレーニング
・口腔周囲筋のトレーニング
・歯科でのスリープスプリント(マウスピース)
などで改善するケースも多くあります。
【まとめ】
いびきは
「体からのサイン」+「お口の健康にも関わる問題」です。
「たかがいびき」と放置せず、
気になる方は歯科・医科での相談をおすすめします。
いびきは単なる音の問題ではなく、睡眠時無呼吸症候群という病気のサインであることがあります。放置すると全身の健康に影響を及ぼす可能性があるため、「たかがいびき」と思わず、早めに相談することが大切です。
気になる症状がある方は、医科・歯科が連携した適切な診断と治療を受けることで、睡眠の質と生活の質を大きく改善できる可能性があります。
