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若年性歯周病

若年性歯周病とは?——10代・20代が知っておきたい“静かに進む病気”

「歯周病は中高年がなる病気」と思っていませんか?
実は、10〜20代の若い年代でも発症する歯周病が存在します。それが 若年性歯周病(侵襲性歯周炎) です。

若年性歯周病は進行が非常に早く、気づいたときには歯が動くほど重症化していることも珍しくありません。放置すると将来的に歯を失い、生活の質にも大きな影響を与えるため、早期発見・早期治療が何より重要です。

本記事では、若年性歯周病の特徴・原因・治療・予防法についてわかりやすく解説します。


■ 若年性歯周病の特徴

若年性歯周病は一般的な歯周病と異なり、以下のような特徴があります。

● 進行が非常に早い

通常の歯周病は数年かけて進行しますが、若年性歯周病は短期間で急速に悪化します。10代後半〜20代前半のうちに顎の骨が急速に溶け、歯がぐらぐらする可能性があります。

● 痛みなどの自覚症状が少ない

歯ぐきの腫れや痛みが少なく、気づいたときには重度であるケースが多いのが特徴です。

● 家族で発症しやすい

遺伝的な要因が関係することがあり、兄弟姉妹や親も罹患している場合があります。

● 特定の菌が関与

若年性歯周病は、**アクチノバチラス菌(A.a.菌)**など特殊な細菌が関係するといわれています。


■ 若年性歯周病の原因

若年性歯周病は、通常の歯周病と原因が重なる部分もありますが、以下の要因が特に強く影響します。

● 1. 遺伝的要因

家族に同じ症状の人がいる場合、発症しやすい傾向があります。

● 2. 免疫力の問題

歯周病菌に対する免疫反応が弱く、菌の増殖を抑えられないことがあります。

● 3. プラーク(歯垢)の蓄積

若い世代は歯磨き習慣が不十分な傾向があり、プラークの蓄積が発症・悪化を招きます。

● 4. 喫煙

10代後半〜20代で喫煙を始めると、血流が悪くなり、免疫力が低下し、歯周病の進行を急速に早めます。

● 5. 生活習慣

睡眠不足・偏った食事・ストレスなども歯周組織の抵抗力を低下させる原因となります。


■ 若年性歯周病の主な症状

若年性歯周病は進行が速いため、次のようなサインを見逃さないことが重要です。

  • 歯ぐきからの出血

  • 歯肉が下がり歯が長く見える

  • 歯の動揺(グラつき)

  • 朝起きたときの口臭

  • かたいものが噛みにくい

  • 歯ぐきが痛くないのに悪化している

これらの症状がある場合は、早めに専門的な検査を受けましょう。


■ 若年性歯周病の治療

若年性歯周病の治療は早期であれば効果が高く、進行を止めることができます。

● 1. プロフェッショナルクリーニング

歯科医院でプラークや歯石を徹底的に除去します。

● 2. 抗菌療法

原因菌が特定される場合、抗生物質を使用します。

● 3. 歯周外科治療

骨が大きく失われている場合、外科的に歯周ポケットを改善する治療を行います。

● 4. 生活習慣の改善

禁煙、規則正しい生活、適切な歯磨きが必須となります。

● 5. 定期的なメンテナンス

治療後は3ヶ月に一度の定期検診が推奨されます。再発しやすいため、継続的な管理が重要です。


■ 若年性歯周病を防ぐためのポイント

若年性歯周病は早い段階で対策すれば、予防・進行抑制が可能です。

  • 毎日の丁寧な歯磨き(1日2回以上)

  • 歯間ブラシやデンタルフロスの習慣化

  • 喫煙しない(習慣がある場合は禁煙を検討)

  • バランスの良い食生活

  • ストレスをためない生活

  • 定期検診を半年に1回以上

若いからこそ、早めのケアが大きな差を生みます。


■ まとめ

若年性歯周病は10〜20代でも発症し、進行が速く、放置すると早期に歯を失ってしまう可能性があります。しかし、早期発見と適切な治療ができれば進行を止め、健康な歯を守ることができます。

「自分は若いから大丈夫」と思わず、少しでも気になる症状があれば歯科医院で相談してみましょう。
今の行動が10年後、20年後の歯の健康を大きく左右します。

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